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失敗しないおうちバーベキュー!お手軽なのに本格的な、パッと作れる焼肉屋さんっぽい「たれ」レシピ&下ごしらえを焼肉職人が教えます!

夏の訪れとともにやってくる本格的なバーベキューの季節!コロナの影響もあって自宅のお庭でバーベキュー、いわゆる「おうちバーベキュー」にはまる人が急増していますが、皆さんこんな経験ありませんか?

・安い牛肉だと固くておいしくなかった。

・味付けが単調で途中で飽きちゃった。

・焼肉店のようなおいしさが再現できない。

お手軽な市販のたれもいいけれど、せっかくならいつもよりおいしいおうちバーベキューを目指したいですよね。

簡単にできてみんなから褒められるまるで焼肉屋さんなたれ作り&下ごしらえに挑戦してみましょう!

 

そもそも安い牛肉ってなぜおいしくないの?

バーベキューはいつもよりたくさんのお肉を食べれちゃうから、たくさん用意しないといけませんよね。

和牛や国産牛はもちろんおいしいけれどお値段が気になるところ…

食べ盛りの子供たちのことを考えると、質より量で比較的安価な外国産牛やもちろん鶏肉、豚肉も用意したい…

そもそも外国産牛は和牛のように肉の内部に脂肪=「サシ」が入りません。

サシのあるお肉は、熱の入り方が脂肪と赤身に分散されるため、程よい柔らかさのまま焼きあがります。

それに引き換え外国産牛は大部分が赤身肉であり、すなわち筋肉なので繊維質でできています。

この繊維が焼くことで急激に熱が加わって縮み、固く感じてしまう=美味しくないと感じてしまうのです。(だから焼き過ぎるとどのお肉も美味しくないんです。)

ただ赤身肉はヘルシーで飽きも来づらいので下ごしらえをしっかりしてなるべく美味しく食べたいですよね。

 

 

焼き方よりも下ごしらえで差が出る?!

メンバ-の中にお肉を焼くプロがいればいいんですが、そんな方にはめったに遭遇できないのが現実です。

バーベキューは好き勝手に焼くのも醍醐味の一つ!鍋奉行ならぬ「焼き奉行」にあーだこーだ言われ過ぎてもテンションが下がってしまいますよね。

焼き過ぎさえ注意すれば、どんなお肉もそこそこおいしく食べれちゃう「必殺の下ごしらえ」を駆使して、バーベキューを成功させましょう!

ポイントは2つ、ズバリ「筋切り」と「コーティング」です。

では下で詳しく解説していきます。

 

最も重要な下ごしらえ、「筋切り」

牛肉の赤身は筋肉なので繊維質でできています。この繊維が急激に焼かれることで縮み、固く締まってしまうことは先ほども触れましたよね。

筋切りという下ごしらえは、この繊維質を短く断ち切ってなるべく縮むのを防ぐ方法なのです。

ではどうやってこの繊維を断ち切るのかというと…

まずスーパーで売られているような薄いスライス肉の場合、まな板などにお肉同士が重ならないように間を開けずに並べます。

そしてお肉の表面に包丁の先っぽを立てて端からぶすぶすとまんべんなく突き刺していきます。だいたい上下左右5ミリ間隔で貫通するかしないかぐらいで刺していきましょう。

(ズボラな方はフォークを使ってもできますが、なるべく包丁で頑張りましょう!)

細かい作業がちょっと…という方には、包丁の刃を使ってお肉の表面をとんとん叩くだけでもOKです。

この場合はほんの少し切込みが入るくらいの力加減で、5ミリ間隔ぐらいで細かくお肉の両面を叩きます。

表面と裏面の叩いた線を合わせると十字になるようにするとなお良いですよ。

ちょっと贅沢な厚切りのステーキ肉の場合も基本は同じです。

5~10ミリ間隔でより深く包丁の刃の先っぽをぶすぶす突き刺していきます。

これも苦手な方は、今度は叩くのではなく包丁で浅い切込みを入れていくのも良いでしょう。

だいたいお肉の厚さに対して3分の1くらいの深さを狙って、7~8ミリ間隔で切り込みを細かく入れていきます。

先ほどと同様に表裏で十字になるように切り込みを入れていきましょう。

どちらのやり方もお肉を柔らかく感じさせる以外にたれなどの味付けを内部まで浸透させる役割もあるので、しっかりやっていきましょう!

 

 

(おまけ) 鶏もも肉の下ごしらえ

バーベキューに欠かせない影の主役はやはり鶏肉ですよね!(あくまで個人的主観ですよ)

鶏肉、特に鶏ももはバーベキューで食べると普段の10倍増しでおいしく感じます。

ですが、鶏ももだけ焼くのに時間がかかってちょっとめんどくさく感じるときありませんか?

なので、簡単に鶏もも肉の下ごしらえをしましょう!

まず鶏ももの1枚肉を用意して皮の面が下側になるようまな板に広げます。

※この時、白い軟骨があったらはさみなどで取っておきましょう。

お肉の高さが均等じゃないことに気が付きませんか?

なので、この少し高くなっている部分を周りと同じ高さになるように包丁で横に切り込みを(切り取らない程度まで)入れて開いていきます。※アジの開きのような感じで。

お肉の高さがだいたい一緒になったら、フォークを使ってランダムにぶすぶす突き刺していきます。

一口サイズにカットしたらひとまず完了です!

 

 

たれをまとわせる「コーティング」

本題に戻って、次なる下ごしらえはいよいよ「たれ」です。

たれって下ごしらえなの?と思った方がいるかもしれません。

たれは事前準備で作るものなので、れっきとした下ごしらえなんです!

このたれでお肉を和えておくことを「コーティング」と呼びます。

コーティングはお肉を美味しく焼くのに欠かせない下ごしらえです。

ではなぜたれで和えておく必要があるのか?

お肉を焼き過ぎて固くなった、これは皆さん誰もが経験あることですよね。

特に固くなりやすい理由の一つに「お肉が裸のままだった」というのがあるんです。

お肉が裸…?いったいどういうことでしょうか。

実は塩コショウのみで味付けしたお肉はほとんど素焼きと同じ状態で、周りに何もまとっていません。つまり裸同然なんです!

裸のまま火にさらされたお肉は熱源が表面に触れているため直接熱が入ってきて固くなりやすいうえ、網や鉄板などにくっつきやすくなります。

皆さん鉄板やフライパンを使うとき、少し油を入れますよね?

これがいわゆるコーティングと同じ効果を狙って行っていることです。

つまり、お肉に一層何かをまとわせることで直接火や熱に触れさせない、これがコーティングなのです!

コーティングの効果としては、

・熱の入りが被膜を通すことで均一になりやすい。

・網や鉄板に直接お肉が接触しないのでくっつきにくくなる。

 

そしてこのコーティングは「たれ」だけではありません。

塩味のお肉にしたい場合も美味しい塩味用のコーティングを伝授しますのでご安心ください。

事項はいよいよこの「たれ」のレシピを紹介したいと思います。

 

おうちにあるもので作る!焼肉屋さんっぽい「たれ」

おうちにあるもの+アルファで作れる簡単な焼肉のたれレシピは以下の通り。

 

【材料と分量】

※1~1.5㎏のお肉に対応できます。

・お醤油(減塩じゃないもの)… 250㏄

・お砂糖(なるべく上白糖)… 100g

・みりん … 50㏄

・料理用のお酒 … 50㏄

・うま味調味料 …小さじ2

・おろし玉ねぎ(おろし器で擦ったもの)… 100g ※余分に用意する。

・おろしにんにく … 5g

・黒蜜 …60g(又はハチミツ)

・ネクターピーチ …100㏄(又は100%りんごジュースでも。ただし少しあっさり目になります。)

 

【作り方】

まず、玉ねぎをおろし器などで擦っておきます。(擦ったときに出る水分も使います。)

※これも面倒だと思う方はミキサーやジューサーなどにざく切りした玉ねぎと一緒にネクターを入れて回してもOK。

全ての材料をお鍋に入れて火にかけます。強火でも大丈夫ですが目を離すとあっという間に吹きこぼれてしまうので注意してください。

お砂糖などが溶けるように混ぜながら温めていきます。

もうすぐ沸騰するかも?という手前まで加熱したら火を止めます。

自然放置して粗熱が取れるのを待ちます。

人肌以下の温度になったら冷蔵庫にしまって一晩寝かせます。←ここ重要。

寝かせる時間がもったいないと思う方も、せめて2時間くらいは冷蔵庫で寝かせてあげてください…

そして、一晩たったら完成です!

 

【使い方】

このたれは焼く前のお肉に和えて使いますが、バーベキュー開始5~10分前くらいがいいと思います。※添加量はお肉100gに対しておよそ30㏄~です。

実は和えておくと玉ねぎの酵素の働きでお肉がほんの少し柔らかくなります。

ただし浸けすぎるとお肉の色が悪くなりしょっぱくなってしまうので注意が必要です。

ちなみに…もっと柔らかくしたい方は生のパイナップルを擦ってたれに混ぜるといいですよ。

 

筋切りの下ごしらえとコーティングが合わさってお肉が柔らかくなり、たれの味が中まで浸透しておいしくなるので、ぜひ頑張ってトライしてみてください!

※たれは生ものですので冷蔵保存で数日中に使い切りましょう。

 

塩味用のコーティングにはヤンニョムだれ

塩味で食べたいお肉には風味を上げてかつコーティングできるヤンニョムだれを使います。

レシピは以下の通り。

 

【材料と分量】

※~500gほどのお肉に対応できます。

・おろし玉ねぎ(先ほどの擦ったものを余分に用意)… 50g

・おろしにんにく …小さじ1

・ごま油 …大さじ5~お好みで調整

 

【作り方】

玉ねぎの水分をざるなどで軽く濾して、後は他の材料と混ぜ合わせるだけです。

 

【使い方】

まず塩味にしたいお肉に、塩、コショウ、うま味調味料で味付けします。

※うま味調味料は塩の分量に対して大体10~15%くらいの添加量がおすすめです。

味付けをしたら、ヤンニョムだれで全体が均一になじむように和えます。

※お肉100gに対して大さじ1を目安に、全体に均等になじむくらいの量にしましょう。

これもバーベキュー開始5~10分前くらいに仕込んでおくといいでしょう。

塩味が特に合う鶏肉や豚肉には絶対欠かせない工程なので、こちらもぜひトライしてみてください!

最後にポイントをおさらい

ポイント1 焼肉のたれは前日に仕込んでおく

ポイント2 お肉は下ごしらえが肝心!特に筋切りはしっかりと

ポイント3 味付け=コーティングはバーベキューの5分くらい前に行うこと

ポイント4 塩味のお肉は先に味付けしてからヤンニョムだれを和える

ポイント5 失敗を恐れるよりも、まず楽しみましょう

 

 

いかがでしたか?

おうちバーベキューをより楽しむために、少しの準備と手間をかけていつもよりもおいしいお肉でみんなから褒めてもらえるよう頑張りましょう!

 

最後までご高覧ありがとうございました。