9月になってもまだまだ暑い日が続いていますね。夏には「冷麺」を食べた方も多いのではないでしょうか?最近は専門店なども増えてきましたが、冷麺の原材料など詳しいことは知らない…という方もいらっしゃると思います。そんな方のために、冷麺の歴史からプロが教えるアレンジまで、冷麺について詳しくご紹介していきます。
冷麺とは
食べたことはあるけどよくわからない、食べてみたいけど何かわからないから…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?冷麺とは一体何なのでしょうか?
冷麺の歴史
まずは冷麺の歴史を簡単にご説明します。
冷麺のルーツは、平壌と咸鏡南道咸興
冷麺のルーツは現在の北朝鮮にあり平壌(ピョンヤン)と咸鏡南道咸(ハムギョンナムド ハムン)です。本来は寒い冬に暖かいオンドル部屋(床暖房の一種で、温度調節がこまめに出来ないので暑くなる)の中で食べる料理でした。
大きく分けて平壌発祥のムルレンミョンと咸興発祥のビビン(ピビム)ネンミョンの二種類があります。ムルは「水」のことで、ビビン(ピビム)は「混ぜ」の意で、ビビンバのビビンと同じです。
日本では1954年、盛岡が最初?
日本では1954年、朝鮮半島北部(現・北朝鮮)の咸興生まれの在日朝鮮人1世の青木輝人氏が、盛岡で「食道園」を開業しお店で出したのが最初といわれています。子供のころに食べた冷麺を再現しようとしたのだそうです。当時はコシの強い独特な麺や、キムチに馴染みがなく、なかなか受け入れてもらえませんでした。
最近盛岡冷麺をよくみるようになったのは「焼肉・冷麺ぴょんぴょん舎」が東京で提供したことがきっかけだとか。
「別府冷麺」
ご存じの方もいるかもしれませんが「別府冷麺」という冷麺もあります。1950年頃、朝鮮系住民も多かった満州(中国東北部)から引き揚げた料理人が大分県別府市で開いた店が発祥とされています。麺は小麦粉、そば粉、でん粉を基本とし、スープは魚介をベースとした和風にアレンジされているのが特徴です。
冷麺の原料は?
冷麺といえば独特なコシの強い麺ですよね。原料は何なのでしょうか?「平壌冷麺」「咸興冷麺」日本の「盛岡冷麺」、それぞれの特徴も交えてご紹介します。
平壌冷麺の主原料はそば粉
そば粉が主原料。麺が黒いのが特徴です。粘りも比較的少なく、噛み切りやすいです。スープは肉類でとったダシに大根の水キムチの汁を加えて作ります。1人前のカロリーは約450kcalです。
咸興冷麺の主原料はそば粉やでん粉
そば粉を主原料にトウモロコシやジャガイモ、サツマイモなどのでん粉が原料。細くて白っぽくコシが強く、噛み切りにくい麺です。唐辛子やコチュジャンベースの辛口ダレと混ぜ合わせて食べます。1人前のカロリーは約500kcalです。
盛岡冷麺の主原料は小麦粉とでん粉
小麦粉とじゃがいものでん粉が主原料。半透明のやや太めの麺で、つるつるとした舌触りと、強いコシが特徴です。スープは、牛骨や牛肉、鶏ガラなどがベースで、すっきりしながらも深いコクがあります。1人前のカロリーは約400kcalです。
【番外編】トトリ麺、チョンス冷麺
【トトリ麺】「トトリ」とは韓国語で「どんぐり」という意味です。どんぐり粉を練りこんだ麺で、色は黒っぽく、喉越しの良い麺です。主に冷麺やスパゲッティの麺を作るときに用いられる方法で押出製法という、麺をところてんのように押し出す方法で作られています。
【チョンス冷麺】小麦粉、そば粉、サツマイモでん粉を使用した冷麺です。黒っぽい色で韓国乾麺、細麺です。
冷麺の糖質は高い?
カロリーは上記で触れましたが、気になる糖質に注目してみましょう。
一人前で計算すると韓国冷麺の糖質は約80g、盛岡冷麺の糖質は約90gです。
糖質制限ダイエットは一食当たりの糖質量は40gまでに抑えるのが理想とされています。残念ながら韓国冷麺、盛岡冷麺どちらもダイエットに適しているとは言いがたいです。
冷やし中華との違いは発祥の地と、麺!
冷麺と冷やし中華は具体的には何が違うのでしょうか?
ひとつめは発祥の地です。冷やし中華の発祥地とされる店はふたつあります。ひとつは東京都千代田区神田神保町の揚子江菜館、もうひとつは仙台市青葉区錦町の龍亭です。どちらにしても発祥の地は日本とされています。
ふたつめは、麺です。冷麺はそば粉やでん粉を使った麺ですが、冷やし中華は小麦粉が主原料の中華麺です。使用している麺が異なります。
また混同してしまう人がいる原因として、西日本では冷やし中華を「冷麺」と呼ぶからだと考えられます。
お店の冷麺
では実際に冷麺はどこで食べられるのでしょうか?人気のお店をご紹介します。
おすすめの冷麺店
コサム冷麺専門店 / 新大久保
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13194657/
新大久保駅から徒歩7分の場所にあり、広い店内はゆったりとくつろげます。おすすめは本場韓国では主流な、冷麺にお肉を包む食べ方です。
板橋冷麺(パンギョ冷麺) / 大久保
大久保駅から徒歩5分。韓国で40年以上続く人気1,2位を争う冷麺専門の老舗です。水冷麺とビビン麺の両方食べられるハーフ&ハーフがおすすめです。
冷麺ダイニングつるしこ
本店は渋谷で、自由が丘にも店舗があります。盛岡冷麺をベースに、「トマトバジル冷麺」や「カレー冷麺」など自由な発想とアレンジで作る東京冷麺が楽しめます。
冷麺が美味しい!焼肉店
焼肉 冷麺 ユッチャン。
2019年に日本に上陸した、ハワイで人気のお店です。みぞれ状に凍ったキリッと冷たくシャリシャリとしたスープと、しっかりコシがある冷麺が名物です。日本の店舗では本格的な韓国料理や焼肉と一緒に味わうことができます。
焼肉の名門 天壇
京都・祇園に本店を構える1965年創業の焼肉・韓国レストランです。純度の高い更科粉を使用した麺はもちもちしすぎない歯ごたえです。スタンダードな冷麺だけでなく、激辛冷麺やサラダピビン麺など4種類の冷麺があります。
焼肉・冷麺ぴょんぴょん舎
自然の素材を大切にし、韓国と日本の食文化を融合させた食をテーマに、1987年11月に誕生しました。人気メニューは盛岡冷麺です。コラーゲンがたっぷり入った独特の甘みとコクのあるスープで、オーダーが入ってからしぼりだし、茹で上げたコシのある麺の絶妙なハーモニーが味わえます。
市販の冷麺
お店で食べるのももちろんいいですが自宅でも冷麺を楽しみたい方のために、市販されている冷麺をご紹介します。
スーパーで買える冷麺
まずはお手軽にスーパーで購入できる冷麺です。
戸田久 / もりおか冷麺
本場盛岡冷麺 / 7プレミアム
https://7premium.jp/product/search/detail?id=2936
冷麺 / 東洋水産(マルちゃん)
https://www.maruchan.co.jp/products/search/302996.html
通販で買える冷麺
ここでは特に人気の3つをご紹介します。
おためし 盛岡冷麺 5食セット / 焼肉 冷麺 やまなか家 楽天市場店
https://item.rakuten.co.jp/yamanakaya1/k1-016/
韓国冷麺5食セット麺 / 韓国世界のグルメ@キムチでやせる
https://item.rakuten.co.jp/rabbit/reimen5p/
ぴょんぴょん舎 盛岡冷麺 2食3袋セット / らら・いわて 楽天市場店
https://item.rakuten.co.jp/auc-umaiwa-iwate/10000586/
【番外編】カルディで購入できる冷麺
コーヒーと輸入食品のワンダーショップ「カルディコーヒーファーム」です。カルディでも冷麺をよくみかけます。もちろん実際に店舗でも購入できますが今回は通販サイトをご紹介します。
韓国「辛ラーメン」の農心が手がける「ふるる冷麺」もこちらから購入できます。(2021年9月現在)
https://www.kaldi.co.jp/ec/Facet?inputKeywordFacet=%E5%86%B7%E9%BA%BA
プロ直伝!戸田久の「もりおか冷麺」をアレンジ
スーパーなどでよく見かける戸田久の「もりおか冷麺」を使ったアレンジ2種類をプロが教えます!
ほんのひと手間と調味料で本格冷麺スープ(約2人前)
ひとつめはほんのひと手間でお店の味が再現できる、本格冷麺スープの作り方をご紹介します。
【材料】
<スープ>
水400ml
玉ねぎのスライス 30g
付属の冷麺だれ 大さじ1
薄口しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
味の素 小さじ1
食塩 小さじ1
チキンコンソメ(顆粒)小さじ1
お酢 小さじ1(後入れ)
<具材>
ゆで卵(半分)
サラダチキン
きゅうりの千切り
キムチ
【作り方】
- 後入れのお酢以外を鍋に合わせて中火にかけ沸騰するまで加熱します。
- 火を止めたら冷まして中の玉ねぎを抜き、お酢を加えて冷蔵庫でしっかり冷やします。
- 麺を袋に記載されている通りに茹で、冷水で洗い、水をよく切ります。
- 器に③→②の順で盛り、具材をのせたら完成です。
後入れのお酢以外を鍋に合わせて中火にかけ沸騰するまで加熱し、火を止めたら冷まして中の玉ねぎを抜いたらお酢を加え、冷蔵庫でしっかり冷やしてから使います。
ビビン麺(1人前)
【材料】
<味付け>
豚ひき肉 30g
付属の冷麺だれ 大さじ1
コチュジャン 10g
ごま油 小さじ1
<具材>
ゆで卵
きゅうりの千切り
トマト
ねぎ
キムチ
【作り方】
- 麺は袋に記載されている通りに茹で、冷水で洗い、水をよく切ります。
- 豚ひき肉はあらかじめ炒めておき、調味料と混ぜてたれを作って麺にしっかりからめます。
- 器に②を盛り、具材をのせたら完成です。
まとめ
いかがでしたか?冷麺の歴史からプロが教えるアレンジレシピまでご紹介しました。
最後に冷麺をご自宅で作る際のポイントを2つお教えします。
- 器とスープは事前にしっかり冷やすこと
- 茹でた麺は洗って氷水で冷やして、パンをこねるように上から押し絞ってしっかり水分を切ること
この2つを実践するだけでもいつもより美味しく仕上がります。ぜひお試しください。