スーパーで安い時に大量購入したお肉の保存方法として冷凍保存する方、多いですよね。冷凍は簡単でも、正しい「解凍方法」を知っていますか?
最適な方法でお肉を解凍していつもより美味しく頂きましょう!
お肉の解凍方法基本の4つ!
まずは基本となる解凍方法です。
自然(常温)解凍
お肉に自然解凍は向いていない
自然に解凍されるのを待つ方法です。時間をかけて解凍されるので良い方法かと思いますが、お肉にはあまり向いていません。やってしまいがちかもしれませんが、冷凍庫から出してきたお肉を常温で自然解凍するのは避けましょう。表面と内部の温度差が大きいとドリップが出やすくなります。
食中毒を起こす危険がある
また夏場や、日当たりのいい場所に長時間置き続けていると細菌が繁殖してしまい食中毒を起こす危険性があります。
流水解凍
急激な温度変化がないのでお肉に向いている
流水にさらして解凍する方法です。こちらは冷蔵庫解凍と比べると時間も短いですし、冷凍庫からの急激な温度変化も少ないのでお肉には向いていると言えます。
対流に5分~7分さらす(100g目安)
保存袋に入れた冷凍肉をボウルに入れ、ペットボトルを重しにして冷水を流しながら解凍します。
コツはお肉を水中に沈めて対流にさらすことです。時間の目安は100gで5~7分くらいです。季節によって水の温度も変わりますので様子を見ながら解凍しましょう。
氷水に1~3時間つける
氷水にするとより温度差が少なく美味しく解凍できます。お肉が濡れないように保存袋に入れ、氷水につけておきます。氷が溶けてきたら足しましょう。解凍時間は1~3時間程度です。
電子レンジ解凍
電子レンジでの解凍はコツがいる
電子レンジでのお肉の解凍はムラになってしまったり、ドリップが出てしまったりしやすいためコツが必要です。
所要時間は1~4分
圧倒的に速いです。お肉の解凍にはおすすめできませんが、ちょっとしたコツで少しでも美味しい状態に近づけることは可能です。
凍った状態で電子レンジに入れる
電子レンジは食品内の水分子を振動させ摩擦を起こすことで加熱します。なので溶け始めていると溶けた水分に反応してしまい、ムラになってしまいます。しっかりと凍った状態のまま電子レンジで解凍しましょう。
キッチンペーパーを使用する
冷凍してあるお肉のラップを外し(保存袋から出し)キッチンペーパーを敷いた耐熱容器にのせ、電子レンジに入れます。先ほども述べましたが電子レンジは食品の水分子を振動させその摩擦熱で加熱するので、余分なドリップをキッチンペーパーで吸いとることによって加熱ムラがなくなります。
解凍の途中で上下ひっくり返す
上下をひっくり返すことで加熱ムラを抑えます。塊のお肉は特に上下をひっくり返す必要があります。薄切りのお肉の場合はそこまで気にする必要はないでしょう。
半解凍がベスト!
電子レンジでの解凍方法に限りませんが、解凍しきってしまうのでなく、半解凍の状態にしましょう。半解凍の目安は、指で押してみるとまだ内部が少し凍っているような状態です。
半解凍でとどめておくことで旨みを含む肉汁をとじこめたままにできます。電子レンジは時間をかけずに解凍できますが、ワット数、時間を間違えて加熱しすぎてしまいやすいので、注意しましょう。
様子を見ながら解凍していきましょう。
冷蔵庫解凍
冷蔵庫解凍はドリップが出にくい
時間に余裕のある方には冷蔵庫解凍をおすすめします。非常に時間がかかりますが、ドリップも出にくいですし、冷蔵庫内に放置しておくだけなので簡単でお肉の旨みも逃げにくいです。
解凍時間は約12時間
解凍時間は約12時間ほどかかります。もちろん放置しすぎてしまうのも良くないので、表面は柔らかいけれど中は少し硬い、半解凍くらいの状態で使うようにしましょう。
できるだけ空気に触れないように密閉して冷凍しましょう。
肉の解凍で注意すべき3 つのポイント
解凍後、冷蔵庫で保存できるのは2日くらい
一度解凍したお肉はすぐに使い切りましょう。5℃以下の冷蔵庫で約2日は保存できますが冷凍前の状態や解凍方法、冷蔵庫の温度にもよりますし、味、食感は落ちてしまうので、すぐに使用するお肉だけを解凍することをおすすめします。
解凍したお肉の再冷凍はNG!
再冷凍は基本的にはNGです。味が落ちるだけでなく、衛生的にも良くありません。そもそも冷凍すると水分が失われます。その工程を何度も繰り返せば繰り返すほど水分は失われ、パサついたお肉になってしまいます。
調理済みのお肉を再冷凍する
どうしても再冷凍したい場合は解凍したお肉を一度調理し、調理済みの物を再冷凍することをおすすめします。調理済み物を再冷凍することで生肉の状態で起きる雑菌などの付着が起きにくくなり、お肉の劣化や傷みを防ぐことができます。
ドリップとは?
ここまで何度も「ドリップ」という言葉が出てきましたが、そもそも「ドリップ」とは何なのでしょうか。
ドリップの正体は組織液
ドリップとは、血液のようにも見えますが正体は食品中の組織液というものです。食品の中の組織が破壊され、水分と一緒に筋肉中のたんぱく質であるミオグロビンが流れ出てしまいます。血液のように見える原因はミオグロビンの色素に赤が含まれているためです。
ドリップが出てしまうと成分の主であるたんぱく質が流出することになります。たんぱく質は旨み成分が多く含まれており、一緒に流出してしまうのです。さらに水分も一緒に流出してしまうため、パサついたお肉になってしまいます。ドリップの水分は微生物が繁殖しやすいためお肉の品質低下につながります。衛生的にもドリップの流出は避けたいですね。
ドリップが出てしまったら
まずは出さないことが一番ですが解凍にはつきものです。ドリップが出てしまったら清潔なキッチンぺーパーで拭き取りましょう。ドリップは臭みやえぐみのもとになってしまうので、きちんと処理することが大事です。洗い流してしまいたくなるかもしれませんが、シンクに菌がはねたり、旨みも流れてしまったりするのでNGです。
プロがおススメするお肉の保存方法
解凍だけではなく、冷凍保存する際にも注意する点がいくつかあるのでご紹介します。
買ってきたパックのまま冷凍はNG
スーパーなどでお肉を購入するとだいたいパックに入っていますが、そのまま冷凍するのはNGです。ドリップが出ておりそのままにしておくと臭みの原因になってしまいます。またパックは断熱材の代わりになってしまい、冷凍には向いていません。きちんとドリップを清潔なキッチンペーパーで拭き取り、保存袋に移し替えてから冷凍保存しましょう。
肉の賞味期限は1か月を目安にする
いくら冷凍といっても、長く保存していると酸化や乾燥の原因になってしまいます。また冷凍庫を何度も開け閉めすると庫内の温度が上がってしまうため、保存期間にも影響します。家庭で冷凍保存する場合は長くても1か月程度で使い切りましょう。
ひき肉の賞味期限は2週間を目安にする
ひき肉は空気に触れる面積が大きいため、2週間程度が目安です。冷凍した日付を保存袋に書いておけば使い忘れも防げます。
ラップ・保存袋を使おう
冷凍する際に何で保存すればいいのか迷いますよね。密閉することが大事なので、ラップに包んで保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍することをおすすめします。ラップに包むだけでは庫内ではがれてしまう可能性が高く、空気に触れてしまったり、他の食材ににおいか移ってしまったりする可能性もあるので、保存袋を使いましょう。
また保存容器はお肉を入れてもスペースができてしまい空気に触れてしまうのでおすすめしません。
まとめ
- お肉の冷凍は、ドリップをキッチンペーパーで拭き取り、空気に触れないようにする
- お肉の解凍は、流水解凍or冷蔵庫解凍で行う
- 解凍したお肉は基本的に再冷凍NG
いかがでしたか?せっかくの美味しいお肉も保存、解凍の方法次第で味や食感が変わってしまいます。なかなか外出できない今だからこそ、お肉を上手に保存、解凍しておうちでも美味しい食事を楽しみたいですね!